京町家貸切宿 高瀬川七条18 枚の写真
築100年以上の京町家がリノベーションによりゲストハウスへと生まれ変わりました。 その壷庭の作庭をご依頼頂き施工させて頂きました。 このプロジェクトの始まりは、工務店より現場で2つの空間の説明を受け、お施主様のイメージを伝えられました。 京町家ですので、住宅が建て込んだ場所に位置していますが、幸いな事に隣地駐車場を借りる事も出来ると言う事でクレーンによる搬入作業も可能と判断し、その事で庭へのイメージがより膨らみました。 お施主様及びプロデュース会社のイメージとして見せられたのは、広間の庭でした。 そのイメージを壷庭には持って来れないので、小間の露地空間を京都の旧家の壷庭にと考えました。 その為には露地に用いられている燈籠、水鉢等の構造物は真新しい感じではなく古びた感じを醸し出しているものを探す事から始まりました。 樹木に関しても同様で、イメージを大事にして選定いたしました。 それら庭を構成する品々を探し出した事で、パースの作製へと取り掛かりました。 お施主様からは、イメージが分かり易い様に3Dで観れないかと言うご要望があったと工務店からの説明時にありましたので、3Dによるイメージを作製いたしました。 プレゼンにおいては、資料を平面図、壷庭、裏庭と別けてご説明をさせて頂きました。 参考までにその資料も掲載いたします。 コンセプトは旧家の壷庭。 2つの壷庭の繋がりを考え、露地と勝手の庭として勝手の庭には茶の湯に使う水を組む井戸をもうけると言う事にしました。 井戸枠は御影石の1石丸彫りの円形井戸枠としました。 この井戸枠は、元々京都の旧家の井戸に使われていたもので、1石彫りの井戸は非常に珍しいものです。 露地の中にも古びた感じを演出する為に大正時代に掘られた織部燈籠を計画しました。この燈籠は太閤石で彫られ、石自体が希少価値のあるものです。 水鉢には江戸時代の燈籠の中台を水鉢に掘り直したものを用いていますが、この水鉢も希少価値のある白川石製です。 また水鉢を載せる台石も江戸時代に彫られた燈籠の中台を用いています。 どちらも蓮弁を見せる事で浄土を意識しています。 苔に関しては、数種類の苔を使用しています。 町中の壷庭で南側隣地建物が3階建てのため、日照をシュミレーションした上で苔の種類を決めております。 躙り口をもうけてありますが、これは最初の現場説明の折にはありませんでした。 このプランをプレゼンさせて頂いたおりに、こちらから提案させて頂きました。 この庭のコンセプトをご理解頂いたお施主様が、プランを受け入れて下さり施工したものです。 今回のこの庭につきましては、お施主様の並々ならぬ想いを一生懸命に受け止めさせて頂き作庭させて頂きました。 その想いがこの庭を完成させてくれたと思っております。